手仕事の楽しさを「ふきん縫い」で

作家の幸田文さんが好きです。お孫さんの青木奈緒さんがエッセイで、幸田文を知らない人に一篇だけ紹介するとしたら、迷わず「些細なつらぬき」を選ぶと書いていました。

「些細なつらぬき」は、身近な小さなことでいいから生涯を通してつらぬく意思を持つこと。幸田さんのそれは、「ふきんを汚くしておかないこと」だったそうです。忙しい毎日の生活で白いふきんなどはあまりに些細なことだけれど、目をまわした時にふっと、ふきんの白さをたよりに方向をとりもどすのだと。

わかる気がします、自分の手できれいに維持されていることが心のよりどころになるという感覚。私もさっそくさらしを買って、刺し子糸でふきんを縫い始めました。誰に見せるものでもないので、目がそろっていなくても気にせずひたすら刺すだけ。気持ちが落ち着きます。

(カールさん)

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